光の魔法を君に
「・・・ん・・」
うっすらと目を開ける。
いつもと同じ天井。
いつもと同じ匂い。
なにも変わらない。
「ノア?起きたのね?」
彼女の声がして、ゆっくりと体を起こす。
「・・・じぇ・・る・・」
「よかった。意識はだいぶしっかりしてるのね。」
そっと目に涙をため嬉しそうに微笑む。
そんな彼女を呼び寄せ、抱きしめる。
______もう、離さない。
俺の決意を述べる代わりに。
「ホントに、よかった。」
腕の中で嬉しそうに話す。
俺を違う種族にするのは、初めてだしリスクが大きかったらしい。
目が、見えなくなったり
腕が、使えなくなったり
足に、力が入らなくなったり
もう、目が覚めることもなかったかもしれない。