差別
それから悠太は、2年生に上がり教室も次第に明るく活発になった。9月は実りの秋という頃、農家である悠太の家では収穫期になる。その頃は一家総出の大仕事で、昼間だけでなく暗くなった時間でも皆で働いた。その日も、陽が落ちて月明かり元で、稲藁から籾を取り出す脱穀という作業をしていた。まだ小学2年生の悠太も例外ではなく、農作業に借り出されていた。「タ―ンターンダッダッ」というヤキダマ・エンジンの騒音は、まるで生物が息を咳き切ったような音をたて動いている。その動力で脱穀機を動かし、父の種雄が発動機に負けないくらいの大声でわめき散らす。その声にせき立てられるように、悠太は田んぼの隅にある稲藁の束を集めて、背中にこれ以上積めない程の稲の束を積み、セカセカと急ぎ足で運んで行く。背中の荷を降ろした時に、ふと夜空を見上げると満天の星空に頭を下げたような下弦の月が、悠太と同じように必死に荷物を背負っているように見えて、お月様も自分と一緒に働いているように思えた。そんな忙しい農繁期の時期に、小野先生が田んぼまで訪ねてきた。
「秋月ク―ン、秋月ク―ン!」
その声を聞いた悠太は、すぐに小野先生のところへ駆け寄った。
「センセ―、なんしい来たとう?」
「秋月くん、お父さんば呼んでくれんね?」
悠太は小野先生の言われるまま、父の種雄の所へ走った。
タ―ンタ―ンダッダッ
「センセ―がこげな時分になんごとかいなぁ」
父の種雄は、猫の手もかりたい時に訪ねて来た小野先生に、わずらわしい顔もせずに先生と話し出した。
「センセ―、なんごとですかいなぁ」
「お父さんですか?」
「秋月ク―ン、秋月ク―ン!」
その声を聞いた悠太は、すぐに小野先生のところへ駆け寄った。
「センセ―、なんしい来たとう?」
「秋月くん、お父さんば呼んでくれんね?」
悠太は小野先生の言われるまま、父の種雄の所へ走った。
タ―ンタ―ンダッダッ
「センセ―がこげな時分になんごとかいなぁ」
父の種雄は、猫の手もかりたい時に訪ねて来た小野先生に、わずらわしい顔もせずに先生と話し出した。
「センセ―、なんごとですかいなぁ」
「お父さんですか?」