magnet


真理亜ちゃんの格好は多分赤ずきんか何かだろう。


ハロウィンなんて名目なくてもいいよね。うん。


「可愛いですねっ」


「……私の事はいいよ」


「湊くんに会いました?探してましたよ」


「あー……はは」


苦笑いで誤魔化す。


探してるならやっぱり早く身を潜めよう。この狭い校内でいつ出会うか分からない。今現に真理亜ちゃんにも会ってしまった訳だし。

「私、急ぐから」


「あ、ちょっと待ってください!はい。これどうぞ。お裾分けです」


渡されたのは、でっかいグルグルの棒つきの飴(名前を知らない)。


もうこれで潜めていられる。


軽くお礼を言って歩き始めた。



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