magnet


私、何でここにいるんだっけ?


イマイチ記憶が曖昧で仕方ない。


「相原さん。大丈夫かしら?」


シャッとカーテンを引く音が聞こえたかと思えば保健の先生が姿を現した。


黒い髪を横に流したのが印象的な人。


「湊くんは少し出といてもらって良いかしら?」


「え?」


「ごめんなさいね。相原さんとお話ししたいの」


「え?俺も…「キミは後にしてね」」


ポカンとやり取りを見守るだけしか出来なくて、あっと言う間に先生に保健室から追い出されていたのだけを認識した。


先生が何を企んでいるのか分からないけれど、とりあえず頭を整理しないといけないからちょうど良かったのかもしれない。


「さて……と。相原さん」


先生は横に流した髪を撫でながら仕切り直したように向き直った。


かと思いきや、徐に私の頬をつねった。


「!?」



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