幼なじみ改造計画
「……冬馬?」

「ん、どうした?」

「此処、よく来るの……?」

「もちろん、おれは超お得意様だぞ!!」

「……そう」

 やめてよ……
 そんなイケメン笑顔でキモイ事言わないで。
 ああ、来なきゃよかった。
 無邪気にこのキモイ空間で大はしゃぎする幼なじみ……
 オタクなのは知ってるけど、此処まで酷いなんて、想像もしてなかった。

「えっと……たしか、3階だったな」

 冬馬は財布から、なにかレシートのようなモノを取り出して、わたしの手を引き、エスカレーターに向かった。
 その間も、わたしはずっと顔を伏せたまま、同級生に会わない事だけを願い続けた……
< 17 / 33 >

この作品をシェア

pagetop