3人は学校の人気者
「ばかじゃねーの?俺が放すわけねーだろ」
そうだった…。
昔から瑠衣くんは私の話を聞いてくれない。
「もういい…」
誰かが助けてくれるまでまとう…。
先生が教室から出て行くと、女の子たちが私の方を一斉に見る。
怖い…。
「瑠衣、いい加減放してあげてよ」
零くんが私たちのところまでくる。
「分かったよ」
そう言うと私を放してくれる瑠衣くん。
こういうところは好きだな…。
「なるちゃん♪」
後ろから魁くんに抱きしめられた。
「か…魁くん!?」
「可愛いなぁ」
私を愛おしそうに言う魁くん。
そうやってる魁くんが可愛い。
「はいはい、魁も放れなよ」
「なんで?」
私の後ろで首を傾げてるであろう魁くんは私を抱きしめる力を緩めた。
「見たらわかるでしょ」
そう、見たら分かる。
だって、女の子たちが睨んでるんだもん!
「じゃ、しょうがないか…」
パッと私から手を放す魁くん。
そういえば魁くん遊びそうなのになんで私と一緒にいるんだろう…。
「オレのこと気になる?」
「えっ?あっ…うん…」
私魁くんガン見してた…。
「オレがなんで女の子と遊ばないかって言うと…」
魁くんはその後の言葉をすぐには言わない。
「か…魁くん?」
「なるちゃんのことが好きだから」
へ?
やっ…だって…嘘だよ…ね?
「昔はね、なるちゃんが思ってた通り、遊んでたんだ…なるちゃん以外に好きな子なんてできなかったから、でも今なるちゃんは目の前にいる」
真剣な顔で私を見る魁くんは嘘ついてるようには見えなかった。