コスミックダスト-戦塵の宮殿
振り返ろうとした瞬間、頭を鈍器で殴られた。

「両手を頭の後ろで組め」

頭上で感情のない男の声がした。
振り返りそびれたので憶測だが、男は恐らく数人いる。

「そのまま歩け」

オレたちはその感情のない声に従うしかなかった。

万事休す。

そんな言葉がオレの頭の中を過った。

振り返りそびれたので憶測だが、この圧迫感は、皆かなりデカいヤツらばかりだ。
そう言えば須原サンもミドリもデカかった。
この国の人種は巨大なのか。
いや、違う。
だってサムトはどう見ても170に届かない。
まだ子供だからか? 
それとも、いいものを食っているヤツらだけがデカいのか。

オレは呑気なことを考えていた。

不思議と恐怖はそれほど感じなかった。

< 65 / 203 >

この作品をシェア

pagetop