読めない手紙
「瞬は、中に何が入ってると思う?」
耳元に小箱をあてたまま瞬に尋ねた。
瞬はちょっとだけ眉を顰めて考え込むような顔をしたあと、マジメな声で言った。
「爆弾」
「げっ、ほんとに!?」
慌てて耳元から小箱を離すと、瞬にくすくす笑われた。
ただし、爽やか笑顔ではない。
いたずらが成功したような、子どもみたいな笑い顔。
「そんなわけないだろ。爆弾だったらさっき振ってみたとこでアウト」
そ、それもそうか。
ふぅ、と息を吐いて小箱を膝の上に乗せる。
このキレイな小箱の中には一体何が入っているんだろう……
「らみー、開けるわよ?」
コンコンとノックされ、続いてお母さんの声がした。
「あー、うん」
私は急いでミニテーブルの上を片づけた。
お母さんは返事を聞くとすぐに入ってきた。