読めない手紙

「ポストの中に入ってたの。私宛てだったんだけど、まだ開けてない」


「ふぅん」


瞬はカラカラと小箱を耳元で振ってみてから、ぽいっと私に投げ返した。


「なんか入ってるよ」


「うん」


「開けねーの?」


「………」


私は手元に戻ってきた小箱に視線を落とした。



正直いうと、なんだか開けるのが怖かった。

別に爆弾とか変な薬とか入ってると思ってるわけじゃないんだけど。


開けることで、私の中の何かが変わってしまうような気がした。


「大丈夫だって」


瞬が、言った。


「うん……」


こくりと頷いて瞬の隣に腰を下ろしながらも、私は小箱を開けなかった。


瞬がさっきしたように、耳元でカラカラ振ってみる。


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