悲恋歌〜hirenka〜悲しい恋の唄。



「わからんって…」

『なぁ真紀、キスして』


【琢磨】は呆れているアタシに強引にキスをしてくる

正直、気持ち悪いとしか思わなかった


アタシと【弘樹くん】の事情を知っている【麻衣】はアタシに色々気遣ってくれていた。

「麻衣…本間にごめんな?」

『ええねんええねん♪真紀は何も気遣わんくていい!』

「ありがとう…」


あの日以来、【弘樹くん】とは一切連絡を取っていない


多分アタシの連絡先も消しているだろう





【琢磨】に体を触られるたび、アタシは【弘樹くん】を思い出した。

目の前にいる男が【弘樹くん】じゃなく

キスをする男が【弘樹くん】じゃなく

好きと言っている相手が【弘樹くん】じゃなく別の男という事にいつまでたっても違和感が消える事はなかった。

何をするにも【琢磨】と【弘樹くん】を重ねてしまうし比べてしまう自分がいた。

ただ単に17才というのとは別に
アタシは【琢磨】のことをガキとしか思えなかった。



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