月の下でキスと罰を。

「僕は、月……君のようになりたかった」


 床に寝るあたしの隣、瀬良はあたしを見つめて語りかけている。悲しそうな顔をして。

「何も感じなくなりたい、暑さも寒さも、空腹も」

 何も感じないわけではない。瀬良、あたしは違う。

「心も痛くならない、期待も絶望もいらない。月と同じ人形になりたい」

 ポタリポタリと、透明な瀬良の涙が、乾いた床に落ちる。泣かないで。

「君は永遠に美しくて、汚れない」

 泣かないで。あたしには、あなたの涙を拭う術がない。


「僕は……汚い」

 こんなに、瀬良は美しいのに。美しいのに、こんなに震えて。

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