死のスケッチブック
ふき出した魅弦を睨み付け、真名は絵を見た。

「まだその絵は完成していないな?」

「…いえ、今から完成するわ」

「させない、と言ったら?」

女の子は涙を流しながらも、恐ろしい形相で睨んできた。

しかし真名は正面からその視線を受け止める。

「私は実花から頼まれているんだ。自分と同じような人間を増やさないように、そのスケッチブックを処分してほしいと」

「実花ちゃんが…。ならせめて、あたしが描き終えるまで待って! 後は赤を塗れば終わりになるの! あなただって、コイツのことキライでしょう?」

…確かに。

伊和未が女の子の絵を切り裂くことなんかしなければ、実花は今も生きていたかもしれない。

だけど…!
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