死のスケッチブック
「なら、やっぱり私がそのスケッチブックに絵を描いてみようか? 本当に無効化しているかどうか。お前が人間ならば、ちゃんとした実験になりそうだ」

「それは断る。コイツは多くの人間の憎しみを吸い取ったせいで、かなりの代物になっているからな」

空いている手でスケッチブックを掴み上げ、バサバサと振って見せる。

「ほお。扱っているのに、制御はできないのか?」

「それとはまた違うんだよ。お嬢さん」

髪が抜けそうなほど強く引っ張られ、顔が歪む。

けれど腕にツメを立てると、僅かに緩んだ。

「アンタはまだ若いから分からないだろうけど、いわくというものは因果とも言える。業が深いものには、関わらない方が身の為なんだよ」
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