秘密

「…お前、こんな所で何してんの?」

美里は顔を伏せると、

「…別に、茜には関係ないでしょ?」

「なんだお前ら知り合いか?」

マスターが俺に聞いてきた。

「うん。同じガッコ…」

「ならお前この子送って行けよ」

カケルが美里の頭に手を置く。

「……いいけど」

「…大丈夫です、一人で帰れます」

美里は頭を振って、カケルの手を払うと歩き出した。

「待てよ」

俺は美里の腕を掴んで引き留める。

「お前、助けてもらって、礼も言えないの?」

「…別に…助けてなんて頼んでない…」

「…あっそ、じゃ行けば?多分クスリやらされて、マワされるだろうけどね?バイバイ」

腕を離して美里に背を向けて歩き出す俺。

「ちょっ…茜、お前冷たい」

カケルが俺の腕を掴んで引き留めた。

「…うぅっ!」

「あっ!大丈夫?」

急に口を押さえてしゃがみこだ美里に、恭介が駆け寄り背中をさする。

「…茜、送っていけ」

マスターが俺の肩をポンと叩き、俺は深く息を吐く。

マスターに言われたら逆らえない。

再び美里の元に戻り、その前にしゃがみこむ。

「キョンちゃん、後は俺が着いてるから、戻っていいよ、美里?大丈夫か?」

「…ぎぼぢわるい…」

「どんだけ飲んでんだよ…」

「…茜」

言うとマスターが俺に何かを投げてよこした、見ると店の鍵。

「落ち着いたら、しばらくうちで休ませてやれ。ほらカケルキョン行くぞ」

「…マスター…カケルキョンってやめてくれよ…何かそれ嫌だ…」

とカケルがぼやく。

「何が嫌なんだ?どうでもいいだろ?そんな事、ほら、あいつら待ってるぞ?他の面子も呼ぶんじゃないのか?そう言われてただろ?」

「あ、そうだった、誰呼ぶかな?」

「カケルさ〜ん、呼ぶの止めてよ〜、ホストに来られたら俺勝ち目ないじゃん!」

「あれ?キョン誰か狙ってんの?」

「勿論!アスカちゃん♪」

「あー…アスカは俺でも落とせないぜ?お前じゃ無理無理、あはは♪」

「え〜?マジ??辛っ!」


三人は笑いなから俺達を残し、何事も無かったかのように来た道を戻っていった。



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