秘密

「……お祓いって何?あたしの事化け物みたいに…

あんな奴、好きでも何でもなかったけど、あたしはこの顔のせいで、人を好きになってもいけないんだって思った。

密かに思う事さえダメなんだって…。

…一人で買い物してる時に、偶然街で憧れの彼を見かけたの。隣に凄く綺麗な女の子連れてた。

お似合いだった…
あたしが彼の隣に並んでも絶対に釣り合わない。

その時、ショーウインドウに映る自分をマジマジと見てみたの…

四角い顔で不細工で…いつも顔を隠してうつ向いて、背中を丸めて猫背になってる自分…

…彼の彼女が羨ましかった。
あんなに綺麗で、彼の隣に居れて…

綺麗になりたかった。

あたしだって綺麗になれば、誰もあたしをイジメたりしない、無視される事もない、化け物扱いされる事も…

あたしは両親を激しく詰った。
何でこんな顔に産んだのって…
こんな顔なら産まれてくるんじゃなかったって。

あたしは存在する価値もない人間なんだって、死んだ方がマシだって……

ホントに死のうと思ったんだよ?
色々死に方考えて、手首切るのは、痛そうで怖くて出来なかったけど…
風邪薬一瓶一気に飲んだり、ガスの元栓開けたり…

…でも死ねなかった…

見かねた両親が私に言ったの。
美容整形しなさいって…
死ぬほどその顔が辛いなら、新しく生まれ変わりなさいって…

高校受験に合格したあたしは直ぐに手術した、新しく生まれ変わる為に。

みんなとは遅れて夏休み前に高校に入学したんだよ、その代わり一年の夏休みは毎日学校通ってたけどね?

茜がプールに飛び込んで、先生に怒られてたの知ってるよ?ふふふ。

それからのあたしは世界が変わった。
なんにもしなくても男の子が寄ってくるようになった。
…嬉しかった。
今までは目が合うだけで、嫌な顔されてたのに、みんな笑いかけてくれた。

調子に乗ったあたしは、次から次に男の子と付き合ったんだよ、友達も沢山出来た。

今まで生きてきて、こんなに異性にチヤホヤされた事なかったよ、はは…

…女の子は…顔なんだよ…可愛いければそれでいいの。

不細工は誰からも相手にされない…

あたしは…生まれ変わったんだよ」

< 123 / 647 >

この作品をシェア

pagetop