秘密
………冗談……、だろ?
奏……、今…なんて……
「かなっ…」
「ストップ、佐野」
再び奏に詰め寄ろうとして、拓也に遮られた。
「……かなちゃん、こいつ、佐野だよ?同じクラスの」
「え?同じクラス?……あっ、佐野…君って…、あの佐野君?」
「そう、佐野茜…、知ってるよね?」
奏は拓也の肩越しから俺の方を見て。
「え?…あ、佐野君って…、確か金髪だったよね?でも、私、佐野君と同じクラスじゃないよ?」
「かなちゃん……、佐野とは二年になって同じクラスになったじゃん?」
「二年に?……え?どうして?まだ私進級してないよ?」
「奏……、さっきから言ってる事がおかしいぞ?」
俺はたまらず奏にそう言うと、奏は片手で額を押さえて。
「佐野君と同じクラス?二年?え…?どうなってるの?」
「かなちゃん、やっぱり医師呼ぶね?佐野が怖がらせちゃってごめんね?」
拓也はベッド脇にあるナースコールのボタンを押した。
『はい。どうされましたか?』
天井に備え付けられたスピーカーから看護師の声がして、それに拓也が奏の意識が戻った事と、それと様子が少しおかしいから、直ぐに医師を呼んできてほしいと告げる。
「佐野、ちょっと一旦出ようか?」
「でも、奏が……」
おかしな事ばかり言う奏の事が心配で、そこから動きたくなかったんだけど、拓也は俺の腕を引っ張り、無理矢理病室から出ようとした。
「かなちゃん、直ぐに医師が来るから、俺達外に出てるね?また戻ってくるから、行こう、佐野」
拓也に引っ張られ、、病室から出されながら奏を振り返って見てみると、奏は拓也に返事もしないまま、額に手を当てて、じっと天井を見つめていた。