秘密
チリン、チリン、チリン……
……あ…
あの鈴の音だ。
チリン、チリン……
何処から聞こえてくるんだろう?
辺りを見渡して見るけど、そこは真っ白い空間。
上も下も全てが真っ白。
ここは一体何処なんだろう?
チリン……
徐々に遠ざかる鈴の音色に、私はこの空間に一人ぼっちだと言う事に気付き、急に不安になって鈴の音色が聞こえてくる方向に駆け出していた。
何で誰も居ないの?
チリン、チリン。
ただ頼りになるのはその鈴の音だけで、私は置いていかれないように鈴の音を必死に追いかけた。
「まって!置いていかないで!」
声を出すと途端に回りの景色が見慣れたものに変わる。
あれ?
ここは………
うちの近所の公園……?
ここが自分の知っている所だと少しだけ安心した私は、ホッと胸を撫で下ろす。
チリン。
不意に鈴の音が私の直ぐ側で聞こえて、足元に目をやると、一匹の黒い仔猫。
「ニャー…」
「猫ちゃん?」
私はしゃがみ込みその仔猫を抱き抱えた。
チリン。
「その鈴は猫ちゃんのだったんだね」
「ニャー」
仔猫の首には白くて可愛い鈴が着いていて、私は仔猫を抱いたまま立ち上がり。
「ふふふ。さ。帰ろうか?シロ」
「ニャー」
そうだ………、
この子はシロだ。
シロ。
おうちに帰ろうね。
私の大好きな人が待ってるおうちに……