秘密
「ちょっとデザインが男っぽくないか?それ」
「そんな事無いわよ。ね?奏ちゃん」
「え?あ…、とっても素敵です。ありがとう、成美さん」
「でもなぁ、何か奏っぽくないと言うか…」
「そんな事ないよお父さん、私好きだよ、こういうデザイン」
「あ。わかった、健吾さん。自分が欲しいんでしょ?それ」
「べ…、別にそんな訳じゃ…」
「ふふふ。健吾さんの分もちゃんと買ってあるわよ」
「え?俺のもあるの?」
「多分欲しがるだろうと思って、きちんと買ってあります」
「欲しがるって…、子供じゃあるまいし」
「あら?じゃあいらないのね?」
「あっ、いや…」
「どうしようかなー。返品しようかなー?」
「いやっ、何も返品しなくても」
「だって、いらないんでしょ?」
「……欲しい……、です」
「素直でよろしい。はい。どうぞ」
成美さんは私にくれた袋と同じ袋を得意気にお父さんの目の前に差し出し、お父さんは小さくありがとう。と呟いて袋を受け取った。
「ふふふ。どういたしまして」
そんな二人の微笑ましいやり取りに、私も自然と口元が緩んでしまう。
お父さん。
可愛いなぁ。
ホントに成美さんの事が好きなんだね。
「もう結婚しちゃいなよ」
緩んだ口元から私が溢した言葉に、お父さんと成美さんは同時に私を見て。
「………奏」
「え?何?」
お父さんと成美さんはお互いの顔を見合わせて、次に成美さんが私の方を見て徐に口を開いた。
「あのね?奏ちゃん……」