神様、恋をください。
「杏樹、人が変わったみたいだね。」
皆、私のことを心配した。
食欲ないし、熱ばかり。
咳もでるし___。
1日中ベッドの上。
今日も雨。
まだ梅雨に入ってから、
一回も晴れていない。
「杏ちゃんさ・・・」
廊下の方から華恋の声がする。
「うん・・・うん・・。」
菖の声もする。
気になったから盗み聞きした。
「お兄ちゃん、最近家に帰ってないらしいの。」
「慶仁君が??」
「うん。お母さんが言ってた。杏ちゃんには秘密だよ。」
2人とも深刻そうに、
私に聞こえないように、小声で
私の心を振るわせる話を。
2人は病室に戻ってきた。
「杏ちゃん、早く元気になってね。」
華恋がさっきまでの表情とは違う
笑顔で言った。
その笑顔が私の心を何度も
揺るがせた。
~夜~
私は思いついてしまった。
慶仁に会う方法を__
それはいたって簡単な事。
でも、熱がある私には
命をすてるくらい大変な事だった。
『菖、華恋ごめんね...。』
寝てる2人に囁いた。
私は、病院を抜け出した。