神様、恋をください。


慶仁の事、意外で悩んだ事があるのは、母と父のことだけ。


ガラガラ___


「杏樹...お母さん来てるよ。」

入ってすぐ、菖が教えてくれた。

自分のベッドの所を見た

母が椅子に座って私を待っている。

私は気づかれないように廊下に逃げようとした___が、母がそんな私に気づいた。



「杏樹、ちゃん...」



第二の母の名前は“飛鳥”(あすか)

慶仁のお母さんと名前が同じ。

まだ私は、“飛鳥”をお母さんって呼んだことがない。

それが“飛鳥”にとってどれだけ辛いのか、私には分かっている。


『何で来たの?』

私たちの雰囲気が嫌だったのか、空気を読んでくれたのか分からないけど、

菖と雄斗君は病室から出て行った。

「今日から外出許可の日って聞いたから...母親だし...迎えに__。」

『別に私、頼んでないし。』

本当は嬉しかった

私が、どれだけ酷いこと言っても諦めないで週に1回ここに来てくれる母が。

「そっか。ごめんね。帰るとき、電話かけて。気をつけてね。」

『...』

「バイバイ。家で待ってるからね。」



お母さんって呼んであげたい

でも“飛鳥”はもう廊下。



今まで、自分がどれだけ母に悪い態度をとってたのか、全部思い出した。

洋服を持ってきてくれた時、『用ないなら帰って。』

プレゼントくれた時、『あんたからのなんていらない。』



今しかチャンスはない。


もう“飛鳥”は私に優しく、気にかけてくれなくなるかもしれない。




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