神様、恋をください。


そう悩んでいるとき、菖と雄斗君が戻ってきた。

「追いかけなよ。泣いてたよ。」

___泣いてたよ。

泣かせてごめん...お母さん。

「海の話は家に電話するから。行ってきな、ね?」

私はそんな菖の言葉も聞かずに、走っていた。


お母さん、行かないで。


この長い長い廊下で“飛鳥”の姿を見つけた。


『...お母さん!!!!!』


本日二回目。

死ぬほど大きな声を出した。


“飛鳥”は振り返った。

泣いていた。

「杏...樹ちゃ、ん...」

『お母さん。』

正直、恥ずかしかった。

「杏樹ちゃん。ありがとう。私...血は繋がってなくても、杏樹ちゃんのお母さんになれてよかった。」

さっきの大きな声のせいで、皆が私たちを見ている。

ドラマの撮影か? そんな感じだった。

『...ごめんなさい。私、前のお母さんが私が病気って知って私を捨てたの。だから...だから親が信じられなくて...もう、親なんて信じない、そう思ってたの。』


「...私は、杏樹ちゃんを捨てない。あなたのお父さんの事も好きだけど、杏樹ちゃんの事も好きだから、結婚したの。杏樹ちゃんが病気って知って、ビックリしたけど、支えてあげよう、守ってあげようって思ったの。だから私は、杏樹ちゃんを守る。」

お母さんの初めて見る、本当の笑顔。

『...一緒に帰ろう...?』

「いいの?友達と話さないの?」

『今はお母さんと話したい。』


これから1週間、皆に会えないけど(海に行く以外)

それでも今は、お母さんと一緒にいたかった。


『ちょっと待ってて。』


私は病室に戻った。
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