貴方の恋人になりたいです
「捕まえた」
そう言って、彼は私をギュッと抱きしめた。
「な、な……っ、離して!!」
ジタバタと彼の腕の中でもがいていると、さらに力を込められた。
「嫌や。逃げる朔をやっと捕まえたのに」
「もう逃げないから…っ」
逃げる場所もないしね。
すると腕に込められていた力がフッと抜け、彼は私の首に腕を回したまま、顔だけ視線を合わせてきた。
「な、に………」
思わず声がつっかえてしまった。
彼はフッと笑ったあと、顔から視線を外し、その下に目をやった。
「これ、似合っとるやん」
そう言って、ネックレスにそっと触れた。
「誰にもろたん?」
意地悪くひねくれた笑みを浮かべて聞いてきた。