貴方の恋人になりたいです



「なにって、今日は朔良の誕生日やで?」


忘れたんか、とでも言いたげな視線で利緒を見た。


「今日やったっけ。忘れてもうたわ。」


出た。あの胡散臭い笑顔。


「忘れた?昨日だってあんなに「そういえば一樹はんが呼んどったで?」


一樹とは私の祖父の名だ。


「そう、じゃあ那智にぃ、私もう行くね。プレゼントありがとう。」


私はそう言ってさっさとその場をあとにした。




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