KAGAMI


人の気配が無くなった空間に、アタシの声が響いた。

自分に言い聞かせた言葉。


想太くんは何度も何度もアタシの名前を呼んでくれたもの。
目の前に居るのが
自分をいつも想ってるのが

アタシだと確認するように。


大丈夫。
離れてても、想太くんはアタシの事を想ってくれてる。

大丈夫、大丈夫。


すぐ帰ってくる。

掃除をして、洗濯をして、お風呂を沸かせば

すぐに帰ってきてくれる。


『腹減ったー』っていつもの声で。

そしたら、
綺麗になった部屋と、畳んである洗濯物と、湯の張ったお風呂を見て


良い子だねって頭を撫でてくれる。

おまたせって、一緒にご飯を食べれる。



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