戀愛物語
「…まさか、怒ってないのか」

びくっと大きく体が揺れてしまった。
どうしよう。変だと思われただろうか。軽い女だと思われただろうか。
言葉につまっていると、あごを指で引き上げられた。

「どうなんだ?」

「え、えっと……、…っ」

ぎゅっと目を閉じて、一度だけ頷いた。

「巡くんは……私の、初恋の人に似ていて…別人とは思えなくて……だから、私は、嫌じゃ…」
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