千変万化の剣

「ならば、私が吐かせてやろうか？」


ネネが剣に手をかける。


「お前ら！」


５人の男が現れた。


「こいつらは私の鍛え上げた最強の兵士。


勇者ですら苦戦した。


まぁ、１００人以上居たのが、５人になってしまったがな。」


「こ、幸大さんに何があったんですか!?」

イヨが訊く。



「冥土の土産に教えてやろう。」






前日


ザシュッ、ザシュッ、


「はぁ、はぁ、

あと、５人だぜ？」


「貴様は化け物か？


我が大軍を一日もせずに壊滅させるとは。」


「へっ、半分以上は逃げたがな。」

「だが、じきに騎馬隊が森を抜け、我々とで貴様を挟み撃ちにする。」


「…森を、って雑木林のことか？


なら、そいつらは全滅だ。」


「何!?」


「森には細いワイヤーを張り巡らせた。

騎馬のスピードでそんな場所を走ったらどうなると思う？」


「…。

見事だ。」

「何だよ、いきなり。」


「くくくっ。

はははははははははっ！」


シバイは笑う。

そして、


「貴様の健闘を讃え、お前にプレゼントだ。」


「プレゼント？」


「貴様を元の世界に送り返してくれる！」


ゴウッ、

幸大に風が集まる。

幸大の体が徐々に光に飲まれる。


「くそっ！

止めろ！」


「はははははははははっ！

終わりだ！」


「喰らえっ！」

ヒュッ、

幸大が双剣の片方を投げた。

ザンッ、


「うがあああああ！

貴様！」


投げた剣がシバイの右腕を切り落とした。


「ちっ！

どうすっかな…」


ばしゅうぅぅぅ


幸大は姿を消した。