黒猫~special cat~


だけど、“何で”って聞かれると…少し、堪える

ただ、一つ…挙げるとするなら---


“お前らと離れたくない”なんて綺麗なもんじゃないけど。




『…息が出来ないから』

「……は?」


『ちょっと、この空気は…吸えたもんじゃないかな』


そういって、俺は笑う

さっきまでのトゲトゲした空気は消え去って
俺は、笑う。…そう、これでいい






わざわざ、帰る時に、
俺がいなくなる時に、









自分の過去なんて、いうもんじゃない





印象付ける必要もないんだ

どうせ、俺が消えたって何も変わりはしないんだ


誰かが転校する時だって、皆口々にこういう。

「忘れないよ」
「ずっと、友達だよ」

だけど、みんなその子がいなくたって
気にも留めやしないよ

その子だって、過去の友人なんて、覚えてないだろうし
いなくたって、直ぐに新しい友達を作るんだろう

そういう、世界なんだよ

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