【B】君の魔法




「……ごめんなさい……。

 祐太は、
 私には勿体無いくらいよ。

 だけど……
 今の私は、
 武流さんを知ってしまったの。

 武流さんに幼い私がした
 罪も……。

 だから……
 もう幸せになることも覗まない。

 シンデレラになれなくても、
 人魚姫にはなれるかも知れない」





泣き崩れていく私。






そんな私を一人残して、
着替えを済ませた
祐太は、
ゆっくりとホテルを出て行く。









カチャリ。






静かに響いた
その音は……
二度目の別れを告げた。









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