【B】君の魔法



「また力入ってる。
 今朝は、
 俺の名前呼んでくれないの?
 昨夜みたいに……」



昨夜みたいに?



やっぱり……
お酒の勢いで
関係を
持ってしまったということかしら?




「ふふっ。
 一人、百面相?
 コロコロと表情を変える
 尊子も楽しいけど……
 昨夜の尊子は
 可愛らしかったよ。
 今朝は見せてくれないの?」




今朝は……。





黙ってきいてれば
好き放題。




怒りに任せて
感情をぶつけたい私の心と
その事実から目を背けたいと
願う……もう一人の私が
せめぎあう。




一瞬力んだ私に
次の瞬間、
柔らかいものが
降り注いで
唇同士が触れ合う。


一瞬の触れ合いから
更に次の行為にうつって
彼の舌が
口腔を弄んでいく。




その行為に
溺れるように
力が抜けていく体。


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