王子様の溺愛カメラマン
『あ、ミキちゃん。今そこにエマちゃんいる?』


騒がしい雑音の中、ようやく真由美ちゃんの声が戻ってきた。


「うん。いるいる」


『日向が替われって』


!?


「むむむむりぃぃ…!」


私は首を力一杯左右に振った。


だけどミキは「オッケ~」と軽く了解すると「ほい」と携帯を私に差し出した。


相変わらずの超スパルタ…


私は顔面蒼白で仕方なく携帯を受け取った。






「も…しも…」


『お前なにバラしてんの』



ぎゃああ…!

鬼みたいな日向くんの声。


バラしたのは私じゃないんだよ~~!


だけどとりあえず私は謝る事にした。


「ご、ごめん…?大丈夫?」


『大丈夫じゃねーよ。だから逃げてきた』


そして日向くんは、ははっと笑った。


日向くんの笑い声に私はホッと気が抜ける。


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