王子様の溺愛カメラマン

『あ―…あとなんか今朝のこと気にしてんだって？』


「あ、う…うん」


さっき真由美ちゃんに聞いたんだろう。


電話の向こうで日向くんが頬をかいてる姿が浮かんだ。


日向くんの声が少し戸惑っている。



『悪かったな。別に冷たくした訳じゃねーよ』


「ほ…んと？」


『ああ。朝のは別にそういうのじゃなくて…』


「う、うん」


『…………』


そこまで言って日向くんはしばらく沈黙してしまう。




「ひ、日向くん？」


『あ―…電話じゃ上手く言えね～』


「えぇ？」


『だから…つまり…』


日向くんは言葉を探すようにゆっくり続ける。


『俺も…俺なりに未知の感情と真剣に向き合ってんだよ』


「う、うん？」


日向くんは一生懸命答えてくれる。


だけど申し訳ないことに、私にはいまいちわからなかった。


そして日向くんはさらに私を混乱させることを言った。


『だから…なんつうか今は一時的にお前の顔見たくない』