王子様の溺愛カメラマン
学校が始まると、またバイト漬けの日々が始まった。


写真スタジオのアシスタントと週末の深夜はコンビニ。


学校では久しぶりに会う友達とバカ騒ぎして放課後は真面目にバイト。


バイトばっかで付き合い悪い俺なのに友達は男女問わず良いヤツばっか。






「また明日な~!」


「お―」


友達に別れを告げてバイト先の写真スタジオに向かった。


雑居ビルの2階に向かう途中、階段の壁にポスターが貼ってあった。


写真コンテストの募集ポスター。


「日向もやってみるか?」


足を止めて眺めているとカメラマンの北山さんが声をかけてくれた。


「や~でも俺、人物はあんまり撮ったことなくて」


なぜか分かんないけど。

人物は昔っからちょっと苦手だった。


そんな俺に北山さんは笑いながらコンテストの案内を手渡した。


「ならなおさら。一度真剣に人物にも向き合ってみろよ」


「はぁ」


俺は手渡された案内をズボンのポケットに突っ込んだ。



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