王子様の溺愛カメラマン
「ゴメン、エマ…」
俺はエマを見つめた。
「やっぱ今は出来ねぇ…」
「――…え?」
「俺…エマの事はちゃんと大事にしたいから」
…あぁ、ダメだ。
ちゃんと伝えたいのに。
酸欠で頭がぼーっとしてくる。
俺はコツン…と力なくエマのおでこに自分のおでこを引っ付けた。
「こういう事は気軽にしちゃ…いけねぇと思うんだ」
本当はすげぇしたいけど。
いや…マジで。
ほんと、今すぐにでもしたいけど。
だけどさ…
大事な子だからこそ、ちゃんと考えたいんだよな。
エマだけは……
大切にしたいんだ。