王子様の溺愛カメラマン
――その時



コンコンッ

部屋の窓に何かが当たった音がした。


「ん?」


なんだろう?鳥?


しかし、振り向いた瞬間私は腰が抜けそうになった。





なぜならば…





「ひ…日向くん?!」



窓の外の木の枝に、日向くんがよじ登っていたからだ。



う、うそ…!!

なんで!?



窓の外では日向くんが
『あ け て~』と必死にジェスチャーしていた。


私はパニックになりつつとりあえず窓に開けた。


「な…なんで」

「あ~エマが気付いてくれて良かった~!」


慌ててる私の言葉を遮り日向くんはヘラッと笑った。


そのまま日向くんはこちらに飛び移る姿勢になり、私に窓から離れるように指示した。


「ちょっとエマどいて?」

「や…危ないよ!」


松の木の枝から窓までは1mは離れてる。


落ちたらただ事では済まないよ!


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