王子様の溺愛カメラマン
夕食を終えると、エマの親父はじろりと俺をみた。


俺はギクッとする。






「風呂、入っていくか?」


「………え?」


「……」





ふ、風呂??



いやでも…

俺の聞き間違えか…?





「日向くんお風呂入っていかない?」


エマの母親がにこっと俺を見た。


「や…でも」


「ヒロキくんがいるみたいで、パパも嬉しいみたい」



ガタッ

エマの父親はそのまま席を立つとリビングを出ていってしまった。



なんなんだ、この家族…。



その時、ぽかんとする俺を見て初めてエマ兄がクスッと笑った。


こ…この人絶対Sだ…!



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