仮病に口止め料
朝に二人乗りをして学校に通うのが週三の決まりごとで、もちろん残りの二日は友達との時間だ。
親友(自分で位置付けしたら非常に胡散臭いけれど、ここはあえて呼ぶ。親友)や、
クラスメートたちによると、俺たちはプライベート尊重カップルらしい。
だから何だと聞かれたら、とくに意味がないから何も答えを持ち合わせていないのだけれど。
彼女の自転車は子供が好きな国民的アニメ(絶対たぬきには間違えられないだろうにたぬきと呼ばれる)キャラクターの色をしているから、
童心がくすぐられるのか自然と俺は吸い寄せられる。
「はよー」
今までは流れ作業でマニュアル通りな挨拶をしてきたのだけれど、
実は貴重な言葉なのだと、この(大人たちからすれば重みのない)恋愛を通して初めて知った。