もう会えない君。


「ごめん。俺、彼女居るから」
隼は女の子達にいつもより少し低めの声で言った。
飛び交っていた声は徐々に静まっていき、視線は私へと向けられた。


「鈴木さんはいいよねー」
恨めしそうに呟く女子生徒。
私はただ黙っている事しか出来なかった。


何処がいいのか、教えてほしい。
私は女の子同士で会話出来る方が羨ましいのに。


友達が二人しか居ない私の何処が羨ましいの?
皮肉にも嫌味にしか聞こえない女子生徒の発言に苛立ちを覚えた。


人気者の隼と悠が一緒だから羨ましいの?
男の子だったら沢山居るじゃん…。
二人じゃなきゃ駄目なの?二人がいいの?


確かに私は隼の彼女に相応しくないかもしれない。
とびっきり可愛いわけでもないし、ずば抜けて頭が良いわけでもない。
スタイルが抜群でもなければ、クラスの人気者でもない。


そんな私だからこそ、なんで?って思う人が多いんだと思う。


ファンの中には凄く可愛い子や綺麗な子が沢山居る。
だけど隼が選んでくれたのは可愛くもない、ブスと言われた私だった。


それだけで充分。
充分だったのに…嫉妬という塊が疼く。


…人間とは――――嫉妬深い生き物だ。
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