もう会えない君。
隼が自分の事を想ってくれていた。
不安だって思う気持ちに気付いてくれた。
嫉妬深い彼女でごめんね。
守ってもらってばかりでごめんね。
心の中で小さく呟いた。
「明後日、空いてる?」
悠が顔を除かせながら問い掛けてきたから私は首を縦に振った。
「三人で遊ばね?」
「いいね、遊ぶ!」
悠と隼が顔を見合わせながら言った言葉に私は笑顔で答えた。
明日からの夏休みに楽しみが出来た。
空欄で埋まる事のない、カレンダーに予定を書き込む事が出来る。
駅前で悠と別れて、隼と一緒にマンションへ向かった。
向かう際もエレベーターの中でも話題は尽きる事がなく続いた。
軽快な音と共にエレベーターを降りた。
いつも通りに小さく手を振り合って私が先に部屋に入る。
そして隼は私を最後まで見送った後、自分の部屋に入る。
小さな優しさなんだと思う。
隼の気遣いがそうしてくれてるんだと思うと愛されているんだって実感出来た。
私は早速、鞄の中からピンク色のペンを取り出した。
カレンダーの空欄に“隼と悠と三人で遊ぶ日”と記入した。
予定は道中、聞いたから…あとは当日を待つだけ!
自然と笑みが零れた。
カレンダーの前で立ち尽くし、ニヤける自分が鏡に映って恥ずかしく思った。