もう会えない君。
「あ…」
来ないと思ったら、やっぱり…ここに居た。
約束もしてないのに隼は私が来るのを待っていた。
学校に行く時に待っていてくれる場所に隼は座っていた。
この灼熱の太陽を浴びながら…。
熱射病になるかもしれないのに待っててくれた。
いつから待っててくれたのかは分からないけど。
私はすぐに隼の元へと駆け寄った。
「隼っ!」
私に気付くと隼は顔を上げて、私に笑顔をくれた。
どうして笑えるの?
なんで隼を置いてった私に笑顔をくれるの?
「おはよ」
なんで…なんで……隼は優し過ぎた。
私に向けられる笑顔は由香里さんとは違って穏やかに見えた。
「ごめ、ん」
私は鞄の中からハンカチを取り出して隼に差し出した。
「今来た所なんですけど?」
そう言って隼は私の頭をポンっと優しく撫でた。
「汗、掻いてる」
私は隼が受け取らなかったハンカチで隼の額を拭った。
こんな真夏にクーラーもない蒸し暑い外で待つのは誰だって苦なのに…隼は待っててくれた。
日陰でもない、いつもの場所で。
申し訳ないという気持ちが胸の中で渦を巻いた。