もう会えない君。
音楽を聴いていると片方のイヤホンが後ろから外された。
振り向くと満面の笑みを見せる悠の姿があった。
「悠…」
「よっ!凛は早いな~」
「そう、かな?」
「いつから来てたんだ?」
「えっと…9時20分くらい」
「うわっ!早くね?早いだろ」
一人で突っ込みを入れる悠の姿が面白かった。
だから私が笑ったら、悠は頭をハテナでいっぱいにしていた。
忘れよう。
せめて今日が終わるまで。
「あれ隼は?」
時刻は間もなく集合時間だった10時になろうとしていた。
「まだ来てない」
私がそう答えると悠は目を少し見開いて、
「なんで一緒に来なかったんだよ?」
と聞いてきたから私はもしかして…と思い、マンションの方に視線を向けた。
だけど、ここからじゃ遠過ぎて見えない。
私は悠に「マンションに行ってくる」とだけ告げて急いでマンションの方へと向かった。