もう会えない君。


壁にもたれかかって携帯と睨めっこをしている悠はまだ私達に気付かない。


「遅れてごめん!」
隼が声を掛けると悠は私達に気付いて一点に視線を向けて微笑んだ。
――握り締めた手。
私と隼の繋いだ手を見て悠は「幸せだな~」と言って隼の横腹を突っ突いた。


少し遅れて始まりを告げた今日のお出掛け。


私達は隣町に行き、ショッピングを楽しんだ。
先に服屋に行って…次に雑貨屋、それからアクセサリーショップ。


どれも女の子が好みそうな場所ばかり。
服屋はメンズ服からレディースまでが取り揃えられている場所だった。


「あっ、これ凛の着てる服に似てる~♪」
悠はシフォン素材のワンピースを手に取って私と合わせた。
確かに似ていて夏らしさが出ていた。
シフォン素材は風通しがいいから夏にはぴったりの素材。


「いや、こっちのが似てるし」
そう言ってシフォン素材で桜色のレース付きワンピースを手に持つ隼。
恐らく、どちらも新作なのだろう。
新作って先月出てた服と似てる時がある…そう思うのは私だけ?


二人の言い合いが面白かった。


私が二つの商品と睨めっこをしていると隼が来て、「何してんの?」と問い掛けてきた。


商品から視線を隼に向けて、「どっちがいいと思う?」と聞くと隼は考え込む体勢をして二つの商品を見比べた。


私が見てたのは新作の小花柄のコンビネゾンとデニム生地のコンビネゾン。
どちらも共に新作で見た目も凄く可愛いから悩んでいた。
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