もう会えない君。


「んー…俺的、こっち」
隼が選んだのはシフォン素材の小花柄をしたふんわり系のコンビネゾンだった。


「じゃあ、こっちの方の買ってくる!」
そう言って私が隼から小花柄のコンビネゾンを受け取ろうとした時、隼は私に背を向けてレジに向かって歩き出した。


…え。
もしかして買ってくるとか言わないよね?
というか、言うも何も行っちゃったし…。


会計を済ませて隼がコンビネゾンが入ったショッピング袋を差し出した。


私はお金を払おうと鞄の中から財布を取り出そうとしたけど隼に阻止されてしまった。


「いいよ、プレゼントって事で」
そう言って隼は悠の居る所に行こうと言って私の手を優しく握った。


「ありがとう…」
照れ臭そうに言う私に隼は笑顔を向ける。
この何気ない幸せがいつまでも続いてくれるといいな、なんて心の中で祈った。


悠はメンズコーナーではなく、レディースコーナーに居て口をへの字にしていた。


どうしたんだろう?と思った私達はこっそり後ろから覗いてみた。


「……悠?」

「うわっ、びっくりした」
悠が見てたのは私がさっき見てた服と似た物だった。
だから声を掛けて、どうしたのかを聞こうとしたけど悠の驚き方が面白くて聞くのをやめて笑った。
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