もう会えない君。


最寄駅に着き、私達は電車を降りた。
いつもと同様に隼と共にマンションへと向かう。


「悠さ、私達の事を気遣ってくれてたね」

「やっぱり凛もそう思った?」

「悠は顔に出やすいタイプだと思った」

「昔からそうだったけどな」

「そうなんだ?」

「嫌な事あるとすぐ顔に出すし、嬉しい事あるとその逆」

「昔からあの面白さも変わりないんだね」

「だから腹痛くなるんだよな~」


笑い合いながら帰る私達はマンションの出入口に着いた途端、時間が止まったかのように進める足を止めた。


立ち止まる二人。
あと数歩で辿り着くマンションの出入口。


なんで…
なんで居るの?


忘れてたのに、折角…忘れてたのに……。


なのになんで…?


マンションの出入口付近で誰かを待つ…――――隼の幼馴染である、由香里さんの姿が目に入った。


驚いたのは私だけではなく、隼も同じだった。
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