もう会えない君。


電話を一方的に切ったのは私の方なのに…今更、後悔してる。


こんな事して隼に嫌われないわけがない。
きっと隼は私の事を嫌いになったに違いない。


彼女として最低だったのかもしれない。
取り乱して事情も最後まで説明しないで…結局は由香里さんの思い通りになっただけだった。


人間って狡い生き物。
それで居て人間って嫉妬深い生き物。
欲深くて諦める事を知らない生き物。


私の手から携帯が抜け落ち、フローリングの上に虚しく落ちた。


広い気力すらなくて何の意味の涙なのか分からないけど大粒の涙が溢れ出て来て私はその場にしゃがみ込んだ。


私が一方的に電話を切って数分経った事、啜り泣く音しかこだましない部屋にピンポーンという軽快な音が鳴り響いた。


だけど立てない。
立つ気力なんてない。
もういいやって思う。
由香里さんの思い通りになればいいじゃん…。
何も言えない私は黙ってるから嘘を並べてればいいじゃん…。


そもそも由香里さんの本来の目的は一体何?


なんで突然、私と仲良くしたいって言ったの?
なんで誘った張本人が約束した時間に来なかったの?


もしかして…
昨日、言ってた言葉は罠だという事を気付かせる忠告のつもりだったの?
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