もう会えない君。
私は次の日、早めに起床した。
まだ眠い体を自力で起こして思い瞼をこじ開けた。
欠伸をして背伸びをすると少しだけ目覚めがよく感じた。
閉め切ったカーテンを全開にしてキッチンへと向かう。
「パン派とご飯派…どっちだろう?」
考えてみても分かるわけがない私は今の季節が夏というだけでご飯派と判断した。
夏だと生の食材が駄目になりやすくて食中毒にでもなったらそれこそ大変だと思った。
炊飯器から昨晩、念の為、予約しておいた炊き立ての白いご飯をボウルに移して胡麻塩で味付けをした後は冷蔵庫から梅干しを取り出しておにぎりを作った。
それを重箱の一番下の段に入れた。
おかずも必要だと思った私は定番物である、卵焼き、たこさんウィンナー、唐揚げ、スパゲッティー、ちくわとしその葉巻…など種類豊富に作った。
あ…嘘。
正直に言えば昨晩のうちに下拵えしたものもあれば、先程作ったばかりのもある。
ある程度、作り終える頃には時間が進んでいて太陽がリビングに光を注いだ。
重箱に詰め込んだ私はそれを鞄に入れて終わらせた宿題を別の鞄に入れた。
よくよく考えれば初めてだ。
誰かの為にお弁当を作るなんて…。
全国民の彼女を務める女性はこんなに早起きをしているんだと関心した。