もう会えない君。
顔を洗って完全に眠気を飛ばし、ラフな格好に着替えた私は鞄を持って部屋を出た。
集合時間は9時30分。
今の時刻は…――――え?
やばい!しくじった!
見てた時計は数分遅れていたようで時刻は9時27分だった。
急いで部屋を出て…って言っても隣だから急ぐ必要はないのだけれど。
鍵を閉めて一呼吸置いた後、隼の部屋のインターホンを鳴らした。
すると同時に隼の声が聞こえて、しばらくすると扉が開き、隼が朝一番の挨拶をくれた。
「おはよ」
「おはよう」
笑顔で言われるから嬉しい。
隼も悠もいつも挨拶は笑顔でくれる。
それが自然で、それが私達の中では当たり前になっている。
「悠、来てる?」
「もう来てるよ」
「うわっ!悠に負けた!」
「どんまい!」
私は隼の部屋に上がって悠の居る、リビングに向かう。
そういえば隼の部屋に入ったの初めてだ。
…というか、男の子の部屋に入ったのが初めて。
白と黒でモノトーン系に揃えてある家具。
散らかってない所が隼の性格の表れなのだろう。
初めて入った男の子の部屋は彼氏の部屋で、散らかってるわけでもなくて綺麗だった。