もう会えない君。


「おっ!凛、おはよう!」

「おはよう」
悠も隼と同様に笑顔で挨拶をくれた。
だから私も笑顔で挨拶を返す。
これが私達の中では暗黙のルールだ。


「凛は何飲むー?オレンジジュースでいい?」
後ろの方から聞こえた隼の声に振り返って頷くと隼は私に冷たいオレンジジュースをくれた。


早速、始まった勉強会…というか悠の宿題を終わらせよう会は意外な悠の集中力に驚いた。
分からない所は全然分からないみたいだけど教えると呑み込みが早くて、それでまた驚いた。
なぜ、こんなに呑み込みが早いのに宿題を溜めていたのかと聞きたくなるくらいだったから隼と顔を見合わせて笑うと悠は首を傾げた。


「こらー!そこー!イチャつくなああぁぁ!」
――どうやら悠は勘違いをしたらしい。
だけど、これも一種の青春の一ページと化すのなら、良い思い出なのかもしれない。


時間は刻々と迫り、一時間、二時間…と時を刻む音と悠のペンを動かす音だけがこだましてた。


やっと二教科の宿題を終えた頃、丁度、お昼時だったので一旦休憩を入れる事になった。


「はいっ!」

「…え!?凛の手作り弁当!?」

「まじで!?」
二人の反応は面白いくらい驚いてて笑いそうになった。


テーブルの上から宿題一式を取り除き、三段の重箱が一段一段、並べられた。


「やべっ!凄くね!?女子から弁当作ってもらったの初めてだ!!」
悠は凄く喜んでくれてて目を輝かせていた。


隼の反応は…――――

「まじ感動」

…――――そんなに驚いたのか、目を大きくして口に手を当ててたから成功だと思った。
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