もう会えない君。


フラついた足取りで彼女が向かう先は何処?


あの方向から行ける場所…。


頭をフル回転にして思考を巡らせてみた。
だけど、人間とはいざという時にそれを活かせないもの。


当然の如く、辿り着く場所は分からなくて私は悠に助けを求めた。


おかしい。
何が、と聞かれたら私はすぐに答えれないだろうけど何かがおかしい。


変な胸騒ぎがする。
嫌な予感が脳裏を過ぎる。


今まで嫌な予感がして外れた事は滅多にない。


…今から何かが起きようとしてる。


そう思わずには居られなかった。


ボロボロの服装。
整えられていない髪型。
化粧っ気のない由香里さんの顔は遠くから見ても不気味な程、青白く思えた。


細い体は余計に細くなり、ガリガリと言っても過言ではない。


見間違い…、という場合もあるけど明らかに見間違いではなかった。


どんなに似た人がこの世に存在していたとしても、あの人は由香里さんだと思う。


思う、というよりほぼ確定してるに等しい。
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