もう会えない君。


「ねえ、」

「………」

「“私の隼”を返して」

「………」

「幼い頃から隼を想い続けてきたの」

「………」

「あんたなんかと一緒にしないで!」

「………ッ」

「隼は皆に優しいから好かれるのよ」

「………」

「だから私が罰を与えてたの、メスブタ共に」

「…罰?」

「私の隼に近付く馬鹿女を消したくてね」

「………」

「でね?私はあんたにも消えてもらいたいの」

「えっ?」

「邪魔な者は排除する。それが私のルール」

「………」

「邪魔なの、あんたが」

「………」

「隼は私の“モノ”なの。私だけの“モノ”なのよっ!」

「………」

鋭い怒声は公園中に響き渡った。
聞いてるであろう、張本人の隼は「意味分かんねぇ」とぼやいていたけど恐らく、今の由香里さんには届いていない声なのだろう…。
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