もう会えない君。
私は誰から送られてきたのかも分からない手紙をくしゃくしゃにしてポケットの中に突っ込んだ。
面倒だな…。
私は再びグラウンドに視線を移した。
今日の天気は快晴なのに私の心は闇雲が覆い被さっていた。
授業が始まっても集中する事が出来なかった。
――昼休み。
私は誰かと昼食を摂ろうともしないまま、屋上へと向かった。
学校で一番好きな場所。
私の通う高校は屋上に鍵を掛けていない。
だから出入りする事が可能だ。
…“立ち入り禁止”の文字を無視すればの話だけど。
手すりに腰掛けて空を眺めた。
やっぱり空は好き。
入道雲が浮かぶ。
空の色に白い雲の色が浮かんで映えて見える。
あ、そういえば明日って学校休みなんだっけ。
ふと思い出した事にさらに憂鬱になった。
学校が休みという事は一人の家で過ごさなければならないから。